WilliamOptics FLT-91



 
 
 
 2月中旬。暖冬のせいか全く寒くない。気流も乱れきった感じではないので,吉野川河川敷で三日月観望。
 日暮れが進んだ割に高度はまだ高い。
 低倍率zoomでじっくりと観察するが,非常にコントラストが高く,非常に見映えが良い。素晴らしい三日月です。
 上空の大気密度のせい?気温のせい?高度があるのに大気分散が見られる。
 
 
 外気温2℃。あまり出たくなかったが,ベランダにて月齢5.4の月を観望。
 SV191の12mmレンジ付近とTPL-12.5mmの比較。シーイングは3/10。薄雲のムラムラ多し。
 コントラストに違いは見られない。取っ替え引っ替えしながら何度も見比べ。倍率が43倍ほどなので,違いを見つけにくい。微小クレーターに絞って差異を探す。ほどなく,いつもの締まりの良さがわかってきた。木星のときと同じで,シーイングが一段良くなったような見え方をしている。ただ,何度も見比べないとわからない。そんなレベルの違い。それって違いって言えるのか。
 
 昨夜よりは気流が良い。このあたりが今季最終回になりそうなので,連夜の木星観望。
 2インチ天頂ミラー+ETL-2でF12の長焦点。
 見えている縞の数は5本。倍率を270倍まで上げても変わらず5本。360倍ではピントはきちんとくるが縞は4本。ガニメデ?の影がクッキリと見えている。
 
 TSAを出した勢いでFLTも出してくる。気流は相変わらず3/10〜5/10。
 ETL-2を付けて135倍から順に上げていく。鑑賞可能なのは208倍まで。それ以上は,揺れて薄れて・・・。ETL-2を付けた方が,明らかに木星の輪郭はシャープで落ち着いている。
 模様の見え方は,TSAにはかなわないが,高コントラストのおかげでSTBも存在がわかる。
 
 11月中旬,木星はまだまだ見頃なんですが,気流は着実に冬のそれに近づいてます。すなわち木星シーズンも終了間近。
 そんな中,シーイングは中の上みたいなので木星観望。今夜はETL-2を使わない方が良く見えます。輪郭のとてもシャープでクリアな気持ちの良い木星が見えています。縞模様カウントは5本。ボンヤリとですがNEBの中に,妙に黒い部分があるのがわかります。
 XO-5mmに替えてみると一段と見え方が良くなります。気流がワンランク落ち着いたような印象に切り替わります。模様の輪郭が一段シャープ。SV215も良く見えるアイピースなんですが,XOにはかないません。ただ5mm(108倍)では小さいので,HR-3.4mm(158倍)に替えてみました。こちらも見事なイメージです。
 
 低倍率用の接眼鏡比較調査。
 XL-14mm,SV191,Delite18mmで半月前の月を観望。この9cm,エクステンダー系のレンズを加えない場合,月全体像に関しては解像度は高くない。そういう状況の中での比較。
 解像度が一番高いのはSV191。ところが像の崩れが早い印象。
 像の崩れがほとんどなく,月面全体がしっとりと見えているのがXL-14mm。
 解像度も像の崩れも優等生的なのがDellite。こういうのが一番おもしろくない。
 解像度は高くないと書いたけど,これは気流のせい。この後,TSAでも見てみたが同じような感じ。
 
 昨夜見たFC-100の月との違い。
 やはり明るさについては1cmの差あり。解像感に関しては,30倍程度の比較では違いがわからない。
 今夕は,ETL-2の使用不使用のもと,倍率を変えながら月面観望。月面アップで,いくつかのクレーター内部の微細構造の見え方を比べてみる。視野中央部での解像度は,ETLを挟まないでも大きな違いはないような気がする。ところが月全体に目をやると何か違う。ここが違うと指摘できないのだが,確かに違う。
 そのまま倍率を上げてみた。360倍でも欠け際の凸凹等はとてもよくわかる。視野の狭さは何ともだけど,これは使える。色収差もほぼわからない。
 続いて土星。
 ETL-2を使っての360倍でも輪郭はぼやけない。相当鋭利なイメージ。これは素晴らしい!カシニの空隙もきちんとわかる。
 SV215での4mmレンジで270倍。見事なほどに超シャープ。この筒,◎です。
 
 連夜の木星観望。大きな違いでないものの,やはり二回り小さいこの鏡筒の扱いやすさを特に感じる。
 外気温に馴染むまでは15分ほどと,10cmたちと同じ。馴染むととても良く見えてます。この日の縞の数は5本。緻密感に結びつく解像感は,極僅かに10cmには劣りますが,その分,コントラストで補っています。なのでぱっと見はほぼ同等。8cmとはまるで違います。もしかして解像力も○かも。
 ETL-2を使用。2インチ天頂ミラー+ETL-2で合焦する。覗いてみて緻密感向上がわかる。F値は約12。長焦点屈折です。倍率は270倍でコントラストは下がるものの模様はあまり消えていかない。輪郭も十分にしっかりしている。360倍ではさすがに鑑賞不可。それでも270倍が使えるのは,AL-106以上の潜在力なのかF6対応のエクステンダーの威力なのか。
 この鏡筒では過去一番に良く見えた木星でした。
 
 10月中旬。恒星はまたたいているものの気流はまずまず。
 久しぶりに木星観望。時間があったのでじっくりと観察できた。今夜の印象は,高コントラスト。AL-106,TSA-102よりも確実に良い!縞模様が濃い!-1cmの口径差を感じさせないほどのコントラスト。これはこの鏡筒の最大の強み。
 SV215での観望であるが,最適倍率は135倍。180倍もきちんと使える。縞は3本ほどしか見えないが,凸凹感は良くわかる。NTB北側の濃淡ムラもわかる。
 
 中秋の名月を撮影。気流が良くないせいか,緻密感のない写りでした。
 ついでに土星観望。土星を見てると,シャープだけど9cmが小口径だと感じる。倍率を上げるほどに暗さを実感。180倍では言うことなしにシャープ。ETL-2を付けて360倍でも,カシニの空隙が黒くわかる。口径mmあたり40倍の高倍率も土星には使えます。ただ,暗い。
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 今季自宅での初土星。
 秋の気配が感じられるようになると気流が乱れてきます。今はまだ大丈夫。それで小一時間土星ばかり観望。
 SVBONYの3〜8mmのズームはいいですね。きちんと解像してます。9cm鏡筒も非常にヌケが良く,カシニの空隙も明瞭に見えていました。かつて,SKY90で見ていた土星,いつも何か物足りないと感じていましたが,本機ではそれがありません。同じ9cmの短焦点ですが,2枚玉と3枚玉の違いでしょうか。ずっと見ていても見飽きない,非常に鮮鋭度の高い土星でした。
 
 梅雨入り後の数少ない晴れのひととき。雲間に月が見えてます。
 しばらく望遠鏡を出していない禁断症状が出始めていたこともあり,30分限定で月観望。
 アイピースはSV191とSV215。スタートはいつものPL-17mmですが,SV191に換えると明確すぎるほどの違いがわかります。コントラストも解像感も一目見て違いがわかりすぎるほど。
 このズームは優秀です。弱点は焦点距離を変えるとピント位置が明確にずれること。視野が広くないこと。でも,満足感があるので十分です。
 月は黄色(肉眼視でも暖色)かったけど,大気の分散によって周辺に色も付いたけど,プラトーの底に落ちる影の黒さなどは素晴らしかった。南部のクレーター群の見え方も秀逸。
 
 梅雨入り直前のわずかな晴れ間。この夜は半月。もう少し早ければ月面Xが見られた時間帯。
 デライト18mmとSV191,SV215の3本で,流れの激しい雲間からの月面観望。
 デライトはコントラストと広視野で勝り,解像感ではSV191が勝ります。SV191は視野が広くないものの,ちょうど良い倍率を探すことができます。これはとても大きい。
 SV215は使い勝手良し。3mmでは有効最大倍率で,しっかりとした解像が見られます。月面に関しては,通常この2本のアイピースで完璧。
 
 ☆仲間と県南へ遠征。
 時間が限られていたこともあり,今回は観望Only。当夜観察したのは,M4,M13,M104,プルケリマだけ。でも,時間をかけてじっくりと観察。
 RPL-30mm18倍は低倍率過ぎ。視野もそれほど広いとは思えず。大きな天体限定になりそう。それよりもSV191のズームアイピースの像質が良いのと,使い勝手が良いのとで,この度は思いっきり見直してしまいました。8mmレンジでは中倍率なわりに,M4の見応えもなかなかでした。これ,なかなか良い接眼鏡です。また,SV215の3mmレンジ180倍,これで見るM13のツブツブ感も素晴らしい。9cmでこれだけ分解できたら十分です。
 最後に見たプルケリマ。青色とオレンジ色の対比がとてもきれい。倍率は180倍ではちょっと物足りません。それでも星粒サイズがとても小さく締まって感じられ,長い時間見ていられました。
 
 3〜4月,しばらく気持ちの良い晴れ間がない。そこに久々に好天続き。ところが月が大きい。惑星はない。そうなると見物は月しかない。
 月齢12.3。プラトーがえらく黒っぽく見える。他にはあまり見せ場はないので無理矢理倍率を上げて,欠け際を観察。
 新しい3倍バローレンズ+SV215で,シラークレーターを見る。クレーターの縁はトゲトゲ。540÷3×3=360倍。イメージは暗いが,しっかりと解像している。良い感じ。
 
 SV215のテスト。とりあえず3mmレンジでのみ。比較アイピースはNaglarzoom。
 月面クレーター内の極小凸凹解像感とコントラストを見た。違いはほぼないように感じます。極々僅かにSV215の方が解像感が良いような(気がするだけかもしれない)。合格点です。値段を考えると優秀。
 ついでに月面探訪。月の高度があってクリア。デライト18mmがとても良く見えました。PL-17mmよりも遙かにクリアで高コントラスト。シャープな感じも言うことなしです。
 
 ファインダーを替えました。6倍30mmをSVBONY製40mmF4ガイドスコープにです。
 30mmは非力で,球状星団を探そうとしたときに,意外に見えが良くなくて苦労したんです。昼間の景色で比べてみましたが想定通り。あまりにも見え方が違い過ぎます。その違いの大きさには笑ってしまうほど。接眼レンズも賞月観星の原点20mm70度。当面は十字線なしですが,これでいきます。
 付属のファインダー脚も背の低いモノに替えました。
 
ところが,このガイドスコープ,そもそもはCMOSカメラでガイディングに使うのが主目的みたい。視野の6割くらいから湾曲が激しい。ファインダーとしての見えは気持ちが良いものではない。
 F4のレンズに広角アイピースは良くないはずなので,LV-25mm,PL-17mmとか替えてみた。それでも湾曲はかなりある。これはレンズ側の問題。で,どれがいいか,どれがましかということになって。
 原点20mm:倍率8倍,実視野8.7°
 LV-25mm:倍率6.4倍,実視野7.8°
 PL-17mm:倍率9.4倍,実視野4.8°
 原点が最も湾曲を感じるけれど,コントラストが高く,視野も広いのでやっぱりこれでいこうかな。
 
 ミザール製ETL-2:3枚レンズ構成,マルチコート,短焦点望遠鏡に適合する収差補正。バローレンズ(2枚構成)に比べて色収差,視野の中心及び周辺の解像力に優れる・・らしい。月齢7の月も撮ってみた。明らかに過去の作例とは異なる解像感。F6の鏡筒には好適。ただ,36.4mm接続なので変換リングが必要。こんなときBORGパーツはとても役立つ。
 
 一つ発見。
 FL-102セットに付属していた銀色PL(17mm)と,SVBONY製のSV191型ズームアイピースの17mmレンジ付近での比較。明らかに後者の方が解像感もコントラストも高い。明らかに!
 ただ,月面では色が黄色みのある暖色系。一方のPLは白い。おそらくレンズ材の違い。
 
 夕方,三日月がきれいだったので撮影。
 今回は,ミザール製ETL-2(大昔の製品です)の相性テスト,ANKOKUブラック塗料のコントラスト向上効果の確認など,やってみたいことがありました。
 エクステンダー系のレンズでは,タカハシの×1.5EDエクステンダーがありますが,拡大率が若干小さい。それとF6あたりの光学系への対応度が不明。その点,ETL-2はF6反射(発売当時,F6反射が流行中だった)対応,そして屈折にも使えますとの表記を見た記憶があります。
 実際に,ほぼF6のFLT-91に今回使ってみましたが,概ね良好で,欠点らしいところはありません。どちらかというと引き延ばし撮影に関してだけいれば,×1.5EDよりも感触は良い感じがします。画像処理では,良い感じに解像感が確認できました。今宵の月は合格点の見えでした。
 それからANKOKUブラックを塗って,絞り環を3枚入れた天頂プリズムとノーマル天頂プリズムの差。そもそもコントラストの高い月面ではわかりにくいのかもしれませんが,ほぼ違いはわかりませんでした。次は昼間の景色と高倍率月面で比べてみます。

 
 
 6.8/10ほどの,さほど良くはないがというシーイング。リゲルも微妙に瞬いてる。ところが見てみた木星,この機種で歴代最高の見え方。細く薄く,ほとんど見えなかったNTB?NNTBがはっきりと見える。ちょうど大赤斑も全面に来ていて,赤茶色が超明確。その大赤斑の周囲の白っぽい部分も明瞭。複雑な凸凹感もとてもよくわかる。倍率は180倍も使えたが,138倍が一番良かった。
 
 地元の星仲間と皆既月食・天王星食観望会。雲発生の予報があったが,天王星出現の手前までは概ね快晴。全容の8割以上は楽しめた。
 使用機材はFLT。十分に外気温に馴染んだ状態での観望は初めてかも。満月は海の部分が艶々。ざらつきの全くないツルツル感が際立っていた。この鏡筒の長所はこのクリア感。
 あと,プレアデス星団を見たが,27倍では倍率が高すぎたかな。
 
 
 月齢12.0。空全体に薄雲がかかってる。あちこちにその雲のない部分も多い。
 木星と月面の観望。木星は,いつもの見え方。一方,月面は薄雲の影響もあって,フレアっぽいのがひどくコントラストは良くない。それでも,太陽光の当たり具合がいいのと,気流の落ち着きはまずまずなのか,プラトー内部の小クレーターが3つ確認。中央の1個はすんなり。目をこらすと『く』の字型に,全部で3個。久しぶりに確認できた。※アイピースはNaglerzoom4mm,135倍。
 
 今期,(接近中の火星を除き)惑星シーズンは終了と感じていたのが,今夜はなかなかのシーイング。
 FL-70,FLT-91にアイピースをいろいろと替えてのんびりと見比べ。
 XO-5mmは確かに良い。コントラストも解像感も言うことなし。HR-3.4mmもカッチリとした解像度が感じられます。この2つはナグラーズームよりも確かに解像度は高い。
 また,おもしろいと思ったのは,月を見たとき,デライト18mm。PentaxのXL-14mmと比べると明らかに色合いが違うこと。デライトが黄色味が強い。XLは白に近い。デライトは視野端に月をやると黄色味がなくなる。XLにはそれはない。コントラストはデライトが若干良い。小さなクレーターの解像感はXLの方が上だけど,端っこに色が付く。デライトは全く付かない。アイピースと短焦点鏡筒との相性の可能性あり。
 観望初めは,月面や木星の解像感の弱さからやっぱり写真専用機かなと思っていた。それが夕食を挟んで2回目に見たときは,かなりの解像。木星も良い感じ。見た目には気流が安定してきたという感じはない。やっぱり上空の気流次第なのかな。短焦点だけど気流が安定していたら,けっこう眼視にも使える。
 連夜の木星観望。ここ数日はNTBが1本しか見えない。
 今夜は衛星イオの影が本体に映っている。こういうのを見ると立体感,距離感が感じられる。今回はエクステンダーを入れない方が解像度が高かった。NEBとNTBの間の白さが明白。益々見えるための条件分析が難しい。
 
 高気圧の軒下にあるので気流はまずまずだろうと木星観望。ところがそれほど良くない。とりあえず,雲越しにあるいは雲の切れ目にて観望。
 西端へ大赤斑が姿を消そうとしているのは,しっかりとわかるのですが微妙で小さな揺れが収まらない。それでも倍率はHRを使って238倍が使えています。この夜は,Naglerzoomの同焦点でも見え方は同等。見えるための条件分析は難しい。
 
 日付が替わる頃前後に観望。土星は西に傾き不可,木星は気流不良であまり良く見えない。
 高度を上げてきている火星を観望。高緯度に黒っぽい模様がわかるが名称は不明。北極付近に白っぽく広く輝く地域がわかる。極冠ではない。
 下弦前日の月の見え味が見事。切れ味鋭く,238倍でかなりの迫力。欠け際も明瞭な白黒で色収差は一切わからない。
 低倍率での月観望では,何よりも明るさを強烈に感じる。『まぶしいっ』,この感覚はFL-80以来。
 
 いつもより若干気流は良さげ。なので,木星と土星を観望。
 常用アイピースであるNaglerZoomでは,(×1.5倍EDエクステンダー付)で両惑星とも180倍付近が鑑賞の限界。良くは見えているものの,変わり映えはしない。それで今夜はXO5mmとHR3.4mmで観望。NZも良く見えるのであまり違いはないだろうと思っていたら,覗いてビックリ。全然違う!木星も土星も3.4mmで約240倍。どちらも非常にシャープで切れ味良く見えている。ホントにまるで違う!気流が一段落ち着いたかのように見え方が変わる。
 
 FL-70で木星を見た後,比較観望してみました。この筒は撮影向けの筒なんですが,通常は確実に観望に使われてます。
 その比較。気流がイマイチだし,あまりかわりばえしないだろうとの見込み。違いは口径2cmの差だけはあるようです。STBが2本に分かれて見えてます。微細感も7cmよりもワンランク上。フェストーンの先の向きがわかったりして,緻密感がありました。倍率は180倍がOKでした。この夜のシーイングは3.5/10。惑星は気流が一番です。
 
 2022.09末,気流は落ち着いていないが観望好期の木星,土星観望。
 高倍率は使えるものの,土星はあまり好印象を持ち得ない。それよりも,この日は木星が良く見えた。STBも細いのが2本。北半球の色の濃い部分の境目もわかった。赤道帯の凸凹もスケッチできるほどに向きが良くわかった。倍率を上げてもコントラストは下がるものの,分解度はそれほど落ちない。シーイングのイマイチな中では久々に良く見えた木星だった。
 
 平均的に,8月は初旬・中旬頃の気流が一番良いような気がする。月末は良さそうに見えて,そこそこに乱れてる場合が多いかも。朝夕はしのぎやすくなっているのは気流を乱す冷気のせい?
 いそがしさであまり望遠鏡を出せない今季,夜中にプチ観望。まずまずの見え方だけど,あまり詳細は見えないし緻密感もない。倍率は135倍がちょうど良かった。
 
 5月期の良シーイング。月面が良く見える。倍率も360倍に上げてもコントラスト良く解像している。全ては気流!
 月面Xの時間帯を1時間半ほど過ぎた月。若干名残が見えている。
 えっ?!と思ったこと(2)
 ファインダー脚用アリミゾ台座を取り付けてます。位置は接眼部の上部。
 ここに台座を付ける穴とネジがあります。ファインダー脚を取っ手替わりにと,しっかりとねじ込みました。ファインダーは取り付けたままではケースに戻せないので,使用後の度にファインダーは取り外します。で,その次です。アリミゾですから差し込むだけでいいのですが,全く入りません。瞬間は意味がわからなかったのですが,台座をネジ止めする際,力を入れすぎると,この台座が変形していしまってるようなんです。そのためファインダー脚を挟み込む爪の幅が狭くなる。このネジを緩めると拡がってアリミゾに通ります。締付には加減が必要です。
 月齢4.6。夕方若干気流が落ち着いていたので,ちょっと望遠鏡を向けてみました。45倍でコントラストの素晴らしい月面が見えてます。輪郭は少し波打ってますが撮影。
 その後,夕食まで観望。撮影時よりも気流は落ち着いています。倍率も1.5倍EDエクステンダーを使って270倍。見事にきめ細かく解像しています。粉が撒かれたようなザラザラした感じもあります。高コントラストで十分過ぎる見え味。倍率はもっと上げることができそうです。
 
 えっ?!っと思ったこと。
 この鏡筒はROTOLOCKという接眼部の締付固定方式になっています。そこへ2インチ→57mmへの変換アダプターを差しているんですが,最大級に締め付けてもあっさりと抜けてしまいます。ROTOLOCKって,それほど強固な固定方式ではないのかなと思っていたのですが,1.5EDエクステンダー(2インチスリーブ)だと少しの力で完全に固定されます。他に2インチサイズの天頂ミラーも差してみましたが,これも完全に固定。それで,手持ちの2インチものをあれこれと差し込んで調べてみました。
 すると,2インチ→57mmへの変換アダプターと某中華製の2インチ→31.7mm変換アダプターの2つが,どれだけ締め込んでも固定できませんでした。で,結論。2インチスリーブものの中で,きちんと2インチサイズになっていない工作精度の怪しいものがあるのではってこと。
 →別のTS製2インチ延長筒を固定してみました。完璧です。ここで一つ,もしかしてってこと発見。完全に固定できるのはスリーブの部分がツルツルのものばかり。BORGのスリーブも某中華製のスリーブも爪でこするとわかりますが,ギザギザというか細かい山が集まってるみたいな,全面均一なツルツルではないもの。もしかして径の問題ではなくて,接触面積の違いによる摩擦が関係してるのかもしれません。
 
 しつこいけど季節外れかけの木星,小さい,気流悪い,条件最低の惑星観望。でも前回よりは見えている。ときどきNTBが見えます。木星本体に落ちるガニメデの影がくっきり。
 四日月もきれいに見えているので続いて月面観望。低倍率では気持ちの良いコントラストで球状。立体感強く観察できます。月の縁が波打ってますが270倍が使えます。オニール橋といわれる地域を注視してみました。両側からの突き出した部分が,コントラスト良く見えています。
 

 このところ秋のきれいな夕空が続きます。夕闇が迫る中,宵の明星や木星がひときわ目立っています。この時期の惑星は気流の不安定さに見えは良くないのがわかっているのですが,つい望遠鏡を出してきてしまします。
※ところでこの望遠鏡,今回初めて気がついたのですが鏡筒内にすごい数の遮光環が取り付けられています。10枚以上はありそうな。
 またピントを合わせるときに,SKY90ならジャスピンの前後で赤やら青やらの色ズレが表れて,ピント位置にくるとそれが消えていきました。この機種ではそれがありません。
 いつも感じることながら,低〜中倍率での木星を含む視野全体に不思議なほどの透明感があります。シャープでヌケが抜群。木星本体に隠れようとしているエウロパが小さくとてもシャープに見えています。気流は乱れているものの180倍も使えました。
 下記は見たまんまに近づけたスケッチですが,観望期を外れた木星です。気流の乱れがちな時間帯での観望でもあり,詳細な部分が見えていないのは当然仕方ありません。
 

 秋も深まってきている夕空。流れゆく雲間に六日月が白く見えていました。ボンヤリと眺めていた六日月,空が暗くなってきて91mm出動。
 エクステンダーをかませたり外したりしながら,アイピースをいろいろと替えてみました。まあ気流がムチャクチャなので高倍率は無意味。広角24mm,XL-14mm,それぞれおよそ23倍と40倍。
エクステンダーを付けて35倍と60倍。どれも月全体が収まってます。これっと言う部分は特にないのですが,六日月でも地球照がしっかりと見えていて月が球体っぽい。これはちょっと見応えがありました。月全体の迫力を味わうには×1.5レンズ+XL-14mm。球体を鑑賞するには24mmオンリー。
 
 雲が増えてきて,いかにも気流はよくなさそうなんですが,確かめたいことがあったので機材組み立て。
 気になっていたのは高倍率での伸びがないこと。原因のして考えられるのは,(レンズの収差性能以外では)短焦点ゆえの厳しいアイピースへの入射角度。それからプリズムへ急角度での入射時に発生しそうな球面収差の懸念。※まあ上空の気流が安定していないこともあるのでしょうが・・。
 それで,試してみたのはタカハシ製1.5倍EDエクステンダーを付けて810mm,ほぼF9にしてみること。これはもうFL-90型と同じ。それと天頂プリズムを天頂ミラーに替えてみること。
 覗いてみたのは輪郭が波々の木星。惑星を見ようなんて気分になるシーイングではまるでない状況。でも今。
 まずはエクステンダーの取り付けから。結果,一見してわかるほど見事なほどに高倍率像が良くなりました。といっても前回のときと条件は違っているので,正確な比較ではなく印象の差。それでもこの気流の悪さの中で200倍超が使えました。気流の乱れがほんの一瞬止まるときに詳細が見えてます。その一瞬の像を見ただけで,高倍率時にはこのエクステンダーが必携かなと。
 昔,使っていたF5.5のSKY90も専用のエクステンダーレンズを組み込むと,相当に高倍率像が改善した記憶があります。F5.9というのはアイピースとの厳しい相性を生じさせるF値なんでしょうか。続いて天頂ミラーへ付け替え。こちらは解像度という点では違いはわからず。それよりも木星周りの微妙なフレアが消えて,とてもクリア。こちらも月・惑星観望時には必携となりそうです。
 それにしても,低倍率・中倍率の良さは天下一品。この夜の540×1.5÷17での木星は,倍率を上げなくてもいいよって思えるほどのコントラストでした。
 
 本領発揮となるであろう撮影になかなか使う時間がとれません。相変わらず月惑星の観望ばかり。
 昨夜も月齢9の月と木星を観望。月の高度は低く黄色く見えてます。雲はないものの気流の安定はイマイチ。アイピースを取っ替えひっ替え,いろいろなアイピースとの相性をみました。
 Pl-17mmでは31倍,印象は超普通。XL-14mmでは40倍弱で普通。特に感動めいたところはありません。何より黄色い,まあこれは月高度の低さ。
 NaglerZoomで90〜180倍で観察。コントラストは良く感じるものの感動めいたものはなし。プラトー内部の小クレーターは1個も見えません。
 楽しくないので木星へ。100倍ほどで良く見えてます。135倍も良く解像してます。小さいけど細かい模様がたくさん。180倍を超えると模様がぼけて薄くなり,全体の明るさも下がります。これは気流のせいなのか???
 この中倍率限定での見えの良さは,ときどき使っている10cmF8フローライトを軽く上回る印象があります。 
 
 雲が空一面に広がっていたけれど,風もあり雲間から三日月超の月が見えていました。
 少しだけ時間があったので,9cmで短時間観望。まだ空背景が若干明るいのてコントラストは上質ではありません。月の南北の両端に視点を向けるとしっかりと解像している印象があります。
 NaglerZoomに替えてバローレンズも挟んでみます。180倍では流れゆく雲がよくわかり,月面の明るさの上昇下降が明確です。有効最高倍率ではしっかりと解像しています。その南北両端の解像感はより一層シャープにわかります。270倍→360倍とつなげても,よく解像しています。色収差は全くわかりません。迫力のある月面です。
 ただ,高倍率では9cmの一番のネックでしょう,明るさが足りなくなります。怖さを感じるほどの迫力で迫る月面ですが暗い。
 
 8月下旬,蒸し暑い夏日が戻ってきましたが,気流の安定度はまるでダメ。
 2回目の木星,土星観望でしたが,木星で130倍くらいまでは非常に良く見えるものの,それ以上に倍率を上げると模様が消えていきます。土星は小さいので,200倍でもシャープ。環の反対側にわずかに見えている本体が小さくくっきりと確認できます。
 写真にあるファインダー三脚台座は別購入&別取り付け。接眼アダプターも付属されません。確実にこの鏡筒は写真撮影を意識したものです。
 このメーカーの地味な良さ。元箱の段ボールは,一般のものよりも約2倍ほどの厚みがあります。というか二重になってます。
 9.1cmF5.9屈折鏡筒。実はこれに近い鏡筒を使っていたことがありました。17年ほど前のことです。
 タカハシのSKY90。FLT-91よりも1kgほど軽く,鏡筒径も1cm細く小振り。そしてSKY90もどちらかというと撮影向けの鏡筒。ところがその頃の私は今以上に撮影はしていませんでした。すなわち眼視用にSKY90を入手したのです。やっぱりスタイルに惹かれて・・。天文誌の裏表紙に掲載されていた当該鏡筒の姿があまりにもコンパクトで高性能っぽくて,かわいくて。
 SKY90は,もう生産はされていない鏡筒ですが,まだまだ現役で撮影に使用されている方も多いと思います。扱い安く,レデューサーを付けると写野周辺まで良い星像が得られる鏡筒です。ところが眼視に限っていえばそれほどじゃない。専用のエクステンダーを付けるとそこそこにの良像にはなりましたが,高倍率はそれほど使えない印象がありました。実際に接近中の火星や土星を見ましたが,(眼視に限っていえば)満足できるイメージは得られませんでした。
 2枚のレンズ間隔を空けたりと,レンズ設計に工夫がある鏡筒とはいえ,そして蛍石を使っているとはいえ,2枚玉でF5.6の短焦点。うまくいかない点が多いことは容易に想像できました。そしてFLT-91もF5.9短焦点。SKY90をつい思い出してしまうスペックです。ただ,この鏡筒に関しては,宣伝フレーズにある『ストレールレシオ0.95+』。高倍率でもいけるかもと,そこが拠り所だったんです。
 でも,まあ,順当に撮影に使ってみようかと考えています。
 
 これから一週間以上晴れが来ない予報。仕方なく雲が高速で流れている空ですが無理にファーストライト。
 とりあえず木星,土星,アルタイル。疲労感もあって早く就寝したいのでホントに超高速。3枚玉を外気温に馴染ませるなんてことは考えません。
 まずは木星。30倍→90倍ほどでは非常に視界がクリア。第一印象は抜群の抜けの良さ。透明感のある宇宙を感じます。90倍では木星の詳細が見え始めてきます。地上では数mほどの風があり上空ではもっとであろう気流条件の中,これだけ見えていたら十分でしょう。100倍,135倍と上げると詳細が良くわかるようになります。180倍ではシャープ感はありません。これは気流のせいです。続いて土星。透明感のあるイメージの中,衛星がけっこう見えている感じがします。調べていないので名称?何個?とは言えないのですが,土星にまとわりつくように小さな点がたくさん見えています。気流の割にカシニの空隙もきちんと見えています。
 最後にアルタイル。180倍で内外像も見てみましたが,気流の乱れが大きく,何かを語るほどの結果は得られませんでした。続きは次回です。
 AL-106よりも一回り小さくて1kgほど軽い。コントラストはこっちがいいかな。解像感は+1.5cmのAL-106が上でしょうけど大きな違いはなさそうです。今後詳しく見ていきます。
 それにしても,対物側から接眼部まで同じ太さに感じるヘンなヤツ。円柱・・まるで望遠鏡らしくありません。 
 2021夏 本体到着。
 
 まだまだ若いつもりですが,年齢を重ねると機材の重さというのが気になり出します。
 今は気軽に10cm鏡筒を出せていますが,その10cm鏡筒の重量は約5kg。普通に軽量なんでしょうけど私にはそれほど軽量とは思えません。私にとって,軽量ってのは片手でホイってところまで。この10cmは長さも短めで小振り。余計に密度が高く重く感じます。でもこの鏡筒,月も惑星も星雲星団も個人的にはかなり満足のいく見え方。もちろん星雲となると大口径が王道なのがはわかっていますが,上限はきりがありません。使いやすさ,運びやすさ,そして見え味。そんなことを考えると,もし1本だけ選ぶなら10cm屈折が自分的には一つの『解』となってきます。
 屈折ならもう一声出して12〜13cmでしょという声も聞こえてきそうですが,『非力な』私としては10cmなんです。そこで『末永く手元に置いておけそうな作りの良い10cm』をずっと前から探していました。でも,これだと思ったのがすぐに入手できなかったり,高価すぎたり,生産中止になってたり。なかなか見つかりそうにない。その上,AL-106の見えっぷりがなかなかいい。もうこれでいいかもなんて思ってしまうのですが,接眼部付近の構造が未熟。ネジ回りの作りが華奢。いいんだけど,もうちょっとというポイントも意外に多い。そして何よりも筒が太くて重い!そこに出てきたのがタカハシのFC-100DZ。軽量でほぼこれっ?!ってなりかけていました。でも長い。注文多すぎですね。

 実は昔々,いいなぁって好ましく思い描いていた鏡筒がいくつかありました。
 ビクセンの8cmセミアポ,アストロ光学の8cmセミアポ,タカハシ6.5cmP型鏡・・・。何となく体型が似ています。おそらくこういうタイプの鏡筒が好きなんだろうって自分でも思います。
 そこにそれにどことなく近いのが現れたんです。
 WilliamOptics製FLT-91。私は眼視派,だけどどうもこれは撮影向け鏡筒。趣向には合ってませんがどこか体型は似ています。その違いを超えても,これを買ってみようと思えるポイントがありました。レンズが高性能。小口径範疇の9cmではありますが,そのストレールレシオ値が0.95+。※この+ってのが???ですが。そして頑丈で本当に丁寧に作られている。どこかのショップの人が言いました。台湾製の望遠鏡には日本の望遠鏡製作のDNAが感じられるって。接眼部は3.3インチサイズの巨大な接眼部とラック&ピニオン。触ってみても堅牢感が伝わります。重量級鋳物のタカハシとはまた違った丈夫さがあります。マイクロフォーカサーも付いていますが,何とそのノブにもカバーが付けられています。ドローチューブや回転機構には細かい目盛りも入っています。
 どこからどう見ても作りの良さが伝わってくるもの。ちょっと気に入ってしまったんです。とりあえず『ずっと手元に置きたい一台』の第一号機。ダメだったら,また二号機を探します。
 購入にあたって,当該機種を取扱う販売店さんはとても親切にお世話をしてくれました。